資金と収支・設備投資と採算性 【前編】

請求団体を選択する場合は、少なくとも「指定の業者から指定のソフトの購入」を義務付けるような団体は避けるべきです。
昨今の近代的な請求団体や請求代行会社ではではレセプト発行用ソフトは無償となっています。

治療機材の導入に於いても、メーカー直接であったり、卸問屋や医療機材取扱者とルートはいろいろとありますが、幾つかの見積を複数業者から取って選定すべきです。機材によってはカタログ価格から50%OFFというものも数多く存在しています。
治療機材の導入に際して、「買取」か「リース」かと言う問題が発生します。

資金的に余裕の無い場合はリースが良いと思いますが、治療機材等の高額商品でリースの対象となる商品を取り扱っている会社は、ほとんどの場合、リース会社と提携しています。セールスマンの 「毎月、○○円のお支払です」と言うような金額だけに目を向けずにリースの料率(手数料)も詳細に検討して、できる限り低い料率のリース会社と契約をすべきです。
更に、導入前には、その機材の生産性も十分に考慮する必要があります。

◇   ◇   ◇

先日、ある開業予定の柔道整復師が「これからの接骨院は中高齢者だけではなく、若い人々も患者、お客様としてドンドン取り入れて行かなければ立ち行かない。
だから、今度開業する接骨院の待合室に昨今話題になっている酸素バーを導入したい。価格は127万円であるが5年間のリース契約をした場合、月間の支払いは127万円で割る60カ月だから、月額2万3000円前後、となる。
月額2万3000円であるならば、月間に25日は営業する予定だから、1日あたり920円のコストとなり、1日に10人が利用してもらえれば、1人あたり、100円以下のコストとなる。もし無償で患者サービスとして提供しただけでも、話題を提供することになり宣伝広告費としても安い買い物である」といっていました。

商売にはこれ位の計算に基づいた考え方が不可欠です。
この様に経営者となると従業員でいた頃には見えなかった数字上の問題が出てきます。これらの数字上の問題を軽んじて扱うと後々大きなヤケドを負いかねません。そして、一度決定したら5年間に渡る商業上の契約を結ぶことになるリース等も十分に検討して決定しなければなりません。

信頼できる税理士や先輩経営者と十分に相談して出来る限り詳細で現実に近いシミュレーションを作成して「実行」か「見送り」かの判断基準として欲しいものです。

(資金計画 収支計画 設備投資と採算性 (後編)へつづく)

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