▼相談者1 平野文子氏(ボディケア・リフレクソロジー「癒し」経営)
◎物件情報
住所 東京都渋谷区
面積 3.5坪
立地 八百屋、魚屋、雑貨店など小規模店が並ぶショッピングビルの中。
JRの駅から徒歩2分、地下鉄の駅から徒歩3分。
◎相談内容
狭い空間ながらも、自分なりに工夫して店づくりをしてきた。最近、お客さんのリクエストもあって、2台あったベッドを1台に減らしたが、ほかによい改装法はないかと思案中。古くからの買物街というユニークな場所にあることが、お客さんに好印象を与えているようなので、同じ場所で続けていきたいと考えている。
◎箕浦流、診断と提案
全体的に、シンプルで落ち着いた雰囲気をつくるようにするといい。訪れる人にくつろぎを与えることもその大きな目的であるが、この店舗の場合、周辺の店が派手で雑多な感じなので、シンプルにするほうが逆に目立つことになる。
現在の外装は赤をベースにしているが、茶系など、もっとやわらかい色にするといいだろう。店内の壁もベージュなどを使うと統一感が出る。現状では入口が分かりにくいようなので、パース1のように看板などを上手く使って入口をはっきりと示すようにする。
外壁にはあちらこちらに紙をはらず、インフォメーションは一ヵ所にまとめてすっきりさせた。
入口の扉からは、普通に通行しているだけでも中の様子が見えるようになっているが、そこから見えるのは、壁に貼られたインフォメーション(料金表、営業時間など)と待合スペースの一部。施術中でなくても、先生は壁の内側にいるようにして、待合スペースと施術室の間にはカーテンと壁で仕切りをつくる。見せる部分と見せない部分をはっきりさせ、施術中の人も、待っている人も落ち着いていられるようにする。
店内はパース2に示したが、待合スペースと施術室の出入口となるカーテンはあまり広くない方がいい。不思議に思われるかもしれないが、実はカーテンよりも壁の方が室内を広く感じさせることができる。また、カーテンが赤やピンクなどの暖色系だと圧迫感を感じるので気をつけたい。
20~40代の女性のお客さんが多いということで、雑貨などをたくさん置かれているようだが、施術室は、小物を減らしたりまとめたりして、シンプルにしたほうがよさそうだ。
今現在、東南アジア風の家具を使用されているので、暖簾の代わりに大きめのアジア風タペストリーを壁にかけるのも一案だ。ベッドを1つにしたのは正解だが、ベッド地の青が少し気になる。癒しの統一という意味でも、タオルなどを使ってやわらかい色にしてあげたいところだ。
外観と入口は一見(いちげん)さんに配慮し、内装はリピーターに配慮したデザインが成功の秘訣ともいえる。
※提案図を見た相談者の感想
「狭いなりの使い勝手がやっぱりあるんですね、驚きました。自分では考えつかない方法をたくさん提案してもらいましたし、この間お話してからそれほど時間も経っていないのに、箕浦先生の仕事の速さにも驚きましたね。
通行人にも上手く宣伝ができるような外装はいいですね。経営的な側面も配慮したデザインなので、本当に参考になりました。これからアロマもやりたいと思っているのですが、エプロンの着用とか、着替えのスペース確保などのアドバイスももらえて、本当に助かりました。」