院内デザインの実際【魅力的な院内デザインのコンセプトとは】

▼相談者3 金森精史氏(柔道整復師)
◎物件情報

住所  大阪府東大阪市
面積  17.22坪
立地駅至近のビル1F。

◎相談内容

これから開業する予定だが、開業物件は決まったものの何から手をつけたらよいのか分からない。院内のデザイン、レイアウトに関してはまったくの素人なので、よいアドバスをお願いしたい。

◎箕浦流、診断と提案

これから開業という方は、まず不動産物件を探すことからはじめることだろう。建物の構造や周りの環境などはもちろんだが、水周りや電源の場所などの確認も大切だ。
この物件は、駅の近くでビルも新しく、なかなか良い条件だが、私がはじめてこの図面を見た時に、水周りを心配をした。後からご本人に話を聞くと、隣に美容室があり、そこから水道を引くことができるということだった。

まず外観だが、看板は照明ボックスを使ったゲート型のものを提案してみた。これなら夜も目立ち、遠目からでもよく見えて宣伝効果もある。ビルのシャッターの位置によって看板が隠れてしまうことがあるので、確認しておきたい。
入口からは中の様子が見え、誰もが安心して入れるようになっている院内は、安心感を持ってもらえるように、やわらかい色をベースにするといい。電光も同様で、蛍光灯ではなくブラケット電気を使用したい。照明の明るさを落すことは、電気代の節約にも繋がる。

院内図には、冷蔵庫や流し台、机などを備えた事務所を入れているが、不要であればベッドをもう1台増やしてもいいだろう。しかし、個人情報保護法にも配慮し、開業時から棚やラックなどを用意して、カルテの保管管理法を考えておくべきである。
靴を脱ぐスタイルならば、施術室の床は絨毯がよいだろうが、アロマを視野に入れているのなら、エンビシートがお勧めだ。タイル片はオイルがついてしまうと黒ずんでしまうので、アロマには向かない。

開業の場合は特にそうだが、実にさまざまな選択肢がある。ここに提示したようなパースを基に細かい打ち合わせをし、納得のいくデザインを作っていって欲しいと思う。

◇   ◇   ◇

箕浦 智文 氏 :1級建築士・スタジオギア社長

従来飲食店、ホテル、アミューズメントの内装を手がけるも、最近スポーツクラブ、リラクゼーションのサロンや接骨院に力を入れ、これらに特化した部門を構築。

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