特集 厳しさ増す手技療法業界とサバイバル

全国紙や地方紙の新聞に掲載されていないが、東京商工リサーチの2019年1月15日付の記事によると、昨年の手技療法の施術所の倒産件数が過去最高になったと伝えている。記事によれば、「接骨院」「マッサージ治療院」「鍼・灸院」などの国家資格者の施術所の昨年の倒産件数は93件に達し、過去10年で最多を記録、5年連続で前年を上回った。倒産した院の半数は個人企業で、従業員5人未満の施術所が全体の9割を占めたという。

「国家資格者の施術所」の倒産 年次推移

東京商工リサーチは倒産の要因を「他院との競争激化などに伴う業績不振」としている。倒産リポートが示すように「業績不振」の原因のほとんどは「施術所の乱立」であり、それに伴う競争激化と考えて間違いはないだろう。つまり、増えすぎてしまったことによる淘汰が本格的に始まったと考えられる。

では、柔道整復師、あはき師の施術所数がどのように増えてきたか見てみよう。2006年は柔道整復(柔整)施術所とあん摩マッサージ、はり、きゅう(あはき)の施術所が10万8139カ所だったが、16年には13万6460カ所に増加。人口(患者数)が増えていないのにもかかわらず、施術所数が大きく増えているということから業界の競争が激化している現状が見える。16年現在で柔整とあはきの施術所は、全国に広がるコンビニエンスストアの店舗数(18年12月現在で5万5743店舗、日本フランチャイズチェーン協会調べ)の2倍以上となっている。

しかし、これらの施術所数にはいわゆる民間資格の施術所や近年では施術も取り入れていることが多いエステティックサロン等の数が含まれていない。これらの数も考慮しなければ実情を把握できない。

2016年調査の総務省の経済センサスによれば、柔整、あはき以外の療術業者の事業所が9865カ所、エステティック、リラクゼーションなどのサロンが6913カ所と合計で1万6778カ所も存在する。これら全てを加えると2016年では15万3238カ所の施術所が存在していたことになる。コンビニエンスストアの店舗数の3倍弱である。

けがをした人、慢性の疾病を抱える人、交通事故に遭った人などによる治療のニーズは一定数あるものの爆発的に増えることはない。このような状況で施術所が急増することで、事業者間でパイの奪い合いが起き、競争に負けた治療院は撤退を余儀なくされる。 このような淘汰の流れの中で生き残る方法を接骨院開業アドバイザー・主任コンサルタントの川嶋隆司氏に聞いた。

「開業するということは治療家半分、経営者半分になることです。『どの程度の売上を上げたいのか』『3年先、5年先のビジョン』など具体例を出し、自分に見合ったスタイルを決めておいて、それに合った開業場所や院の規模などを決めるべきです。

保険が使える国家資格者は保険治療を行うべきです。保険治療と自費治療のバランスは先生のビジョンや先生の手技の技量、院のある地域の特性などで変わりますが、保険治療を意識している先生は大きな成功はなくても失敗はしていません。最初から「自費治療だけ」「完全予約制」を掲げる先生は私が見ている限り当たり外れがあります」。

※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン62号(新春号)をご覧ください。

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