地裁での第1回の口頭弁論は初夏に開かれ、以降は両者とも弁護士が対応することになった。第2回の口頭弁論では、弁護士により費用の見直しが行われたこともあってか、請求額が増額され300万円に倍増した。
意見陳述や陳述書の提出、原告の知人と院長の証人尋問、原告の証人尋問など、地裁で14回の口頭弁論を重ね、2年後の春に判決の言い渡しがあった。その結果、この院長は晴れて無実となった。
記者は当然、勝訴した院長側の弁護士の費用90万円も原告が支払うものと思っていたが、弁護士費用は訴訟費用に入らず自己負担なのだそうだ。
この院長は自分の無実を晴らすために90万円の費用は自腹となる可能性があった。しかし、院長が加入していた日本治療協会では、「当会会員の無実を晴らす費用は保障制度の対象にすべき」との考えから弁護士費用を出したとのこと。
同時期に聞いた別の保険に入っていた院長の訴訟では、勝訴したものの、200万円余の弁護費用は保険から払われず、自腹を切ったとの情報も届いている。賠償責任保険によっては、勝訴では賠償責任がないため損保会社から一切の費用が支払われないこともあるのだそうだ。
※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン32号(夏号)をご覧下さい。