月次収支のつけ方、見方【会計教室4】

現預金残高との整合性チェック

さて月初の窓口現金残高、通帳残高を合計した現預金残高に当月の現金収支を加算すると、月末の窓口現金残高、通帳残高の合計に合います。例示では月初の現預金残高500千円に当月の現金収支マイナス100千円を加算すると月末の窓口現金残高、通帳残高の合計400千円に合います。ここで差額がでるということはこれまでの集計のどこかが間違っているということです。見直しをして下さい。

月次収支表の見方

こうして作成された月次収支表を見ると1カ月の現金収支がわかり、発生ベースの利益までわかります。これを数カ月作成して比較してみると平均的な売上、経費、現金収支、月次利益がわかります。この表の金額欄を複数にすることにより複数月を記入し比較することができます。項目は適時自社に合うように変更してみてください。

例えば通帳経費は家賃、人件費、材料費、その他に細分化してもいいでしょう。売上については月次比較により増減理由を分析し売上アップのための対策を考えましょう。また実施した対策についての検証もできます。経費については平均値より増加した場合その原因を調査しムダな支出がないかチェックしましょう。現金収支のマイナスが続くようだと別途銀行借入等資金調達を考えなくてはならないということがわかります。

会計ソフトや会計事務所から月次の試算表というものが出力されますがこれは会計上の利益を明らかにするものです。しかしこの試算表は複式簿記が分らないと作成できませんし、理解するのも大変です。
今回説明した月次収支表は作成も簡単ですし、わかりやすい表ですので是非作成して自院の経営に役立ててください。

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上田 曽太郎 氏 :上田公認会計士事務所長
[ひーりんぐマガジン 7号より]

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