月次収支のつけ方、見方【会計教室4】

自分の事業が儲かっているのか赤字なのかをどのように把握すればよいのでしょうか。
今回は簡単に毎月の儲けがわかる方法をお教えします。

手技療法を行なっておられる事業主の方は自分の事業が儲かっているのか赤字なのかをどのように把握すればよいのでしょうか。

売上が全て現金売上であれば絶えず手許現金と預金の残高を見ていればいいのですがこれに保険請求、自賠責、チケット等の売上が入ってくるとホントに儲かっているのかどうかがわからなくなってきます。
今回は簡単に毎月の儲けがわかる方法をお教えします。以下説明するやり方を参考に掲載している月次収支表に自院の場合で記入してみてください。

キャッシュベースによる月次収支のつけ方

先ず1カ月の売上の集計ですが、窓口売上の日別合計を集計します。
毎日記入する日計表に窓口売上の累計欄を設けて毎日累計を記入しておけば月合計は特に改めて1カ月の日々の売上を集計する必要はありません。またレジを使用している場合は1カ月で締めればすぐに合計がレシートで出てきます。

次に保険請求売上、自賠責売上は通帳の当月入金額になります。余談ですが通帳は事業用と個人用を別けておきましょう。これは税務調査の際に両方ごっちゃの通帳だと事業用の経費を個人用とみなされてしまうことがあるからです。

また窓口現金はそのまま銀行に預けるようにし、これを生活費にまわすのはできるだけしないで後で述べる事業主報酬として通帳から定期的に引き出してください。これは現金で引き出すのは記録が残らないため税務署に窓口現金売上をごまかしているのではと勘ぐられてしまうからです。ここでは例として1カ月の窓口売上450千円、通帳上の保険入金700千円、自賠責入金150千円とします。これを月次収支表に記入します。

次に経費の集計ですが、現金経費は日計表に毎日記入しておけば日合計がでているのでこれを集計し月合計とします。日計表に経費累計欄を設けて毎日累計を記入しておけば月合計は改めて1カ月の日々の経費を集計する必要はありません。

ローンの返済やリース代、水道光熱費、電話代のように銀行口座から自動振替になっているものは通帳から集計します。材料代や家賃、従業員の給与などのように銀行振込するものも通帳から集計します。1カ月分であれば通帳1ページ程度であり集計は簡単で時間もかかりません。

事業主の報酬も事業口座から引き出している場合はこれを集計します。事業主報酬の支給の仕方ですが、従業員と同じように毎月定額を決めて月一度引き出すことをお薦めします。これは必要な都度引き出していると、いったい個人の生活費にどれくらいかかっているのか管理が難しくなってくるからです。毎月定額であればその入金額のなかでのやり繰りを考えるので家計費の管理がし易くなりますし、無駄な支出をしなくなります。ここでは例として1カ月の現金経費200千円、通帳経費700千円、事業主報酬500千円だとして、これを月次収支表に記入します。

さてこの1カ月の売上収入1300千円から経費支出1400千円を差し引いたマイナス100千円が現金収支になります。この月は100千円の赤字だったというわけです。がっくりといったところでしょうが、どうもおかしいな現場は今月結構忙しかったのにそれでも赤字なのか、と感覚的に思う場合があります。本当に今月は赤字だったのでしょうか。

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