お話を伺うのは、NPO法人日本手技療法協会の開業アドバイザーである細川光一氏、川 嶋隆司氏の2名。この業界における独立開業コンサルティングのプロであるおふたりに、さっそくコメントをいただこう。
――開業のタイミングですが、皆さんいつ頃からアクションを起こしていますか?
細川 「相談に来られるのはだいたい開業半年前あたり、開業時期はだいたい春先から夏にかけてですから、ちょうど今頃からアクションを起こす先生が増えますね」
川嶋 「なるべく早い時期に来て欲しい、と皆さんにはお勧めしています。一番良くないのは、請求団体を選ぶ段階になってからやっと行動を起こすパターン。これでは遅い。開業とはあくまで手段に過ぎない。一施術家が、ひとりの経営者になって独立する、ということ。それがわかっていない人は失敗します。開業を思い立ったら早めに開業経験豊富な私どもに相談することをお勧めしたいです」
――独立開業を思い立ったときに、第一歩としてすべきことは何ですか?」
川嶋 「まず事業計画ですね。必ず紙面に落とすこと。目標売上はどれくらいに設定するのか? 今勤務している状況、時間、施術している患者さんの人数などに置き変えてみる。そうすることで、その数字が希望的観測なのか、実現しうる数字なのか、具体的に判断することができます」
細川 「ほとんどの先生は独立開業に必要となる概算の金額イメージは掴んでいます。しかし具体的にどこにいくら掛かるのか?を聞いてみると全くよくわかっていない人が多い。そんなとき私は、よく施術用ベッドの数を使ってわかりやすく説明します。すなわち、ベッドの台数が決まると院の坪数が決まる。するとその坪単価にあった家賃が推定できる。入居費用が算定され、内装費などもわかってくる、といった具合です」
――開業して順調にいっている院の特長には、どういったものがありますか?
川嶋 「技術に頼り過ぎない院のほうが結果的に来院数は多いですね。先生やスタッフの人柄、清潔感、院内の雰囲気などに気を配っている院や説明上手な院はおのずと人気があります」
細川 「事業計画がしっかりしている人ほど、あとで他人のせいにしないですね。結果上手くいく。それと、よきパートナーを持つこと。自分の力は微々たるもの。開業時に支えとなるのは家族や請求団体、経営コンサルタントなど自分以外の周りの存在です。もちろん本人の意志、心構えが一番大切ですが」
※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン49号(秋号)をご覧ください。