新春特集 2020年の鳥瞰図  今年の動きと柔整を俯瞰から考える

2020年は東京オリンピックやパラリンピックを筆頭にイベントが目白押しだ。これに合わせて変化も起きる。開会式に合わせて祝日が移動し4連休となったり、閉会式に合わせ3連休ともなる。手技療法業界も3月までには新たな広告規制の内容が決まり、翌年から施行される予定だ。昨年末には帝国データバンクから手技療法業者の売り上げが増加しているというデータが公表されている。一方、新聞、雑誌では柔道整復師、接骨院が「不正をしなければ生き残れない?」などと一面や複数ページで大きく特集が組まれている。

2020年の行事・実施予定を俯瞰する

2020年の最大のイベントは7月24日から8月9日まで行われる第32回夏季東京オリンピックと8月25日?9月6日の東京パラリンピック。オリンピック開会式に合わせて祝日が移動し、7月第3月曜日の海の日が7月23日の木曜日に、10月第2月曜日のスポーツの日が(体育の日が改称)が7月24日金曜日になる。さらに閉会式に合わせて8月11日の山の日が10日に移動する。
表にはないが3月までに終わっているであろう「あはきおよび柔整などの広告に関する検討会」で承認された広告のガイドラインを、この時期に内容を正確に把握し、来年度以降の実施に向けて準備する必要がある。昨年12月16日に東京地裁から「合憲」との判決が下された「あマ指師養成施設非認定裁判」では原告の学校法人平成医療学園などは、判決は不服として控訴する方針だが、2月と4月に判決が下される同じ内容の大阪と仙台地裁の判決にも注目したい。

マスコミと柔整業界を俯瞰する

毎年、年末が近づくと恒例のようになっている各種媒体による「治療院たたき」がある。昨年の11月からの新聞や雑誌では次のようなものがあった。見出しを紹介する。「行ってはいけない施術所の見分け方・予約殺到の神の手の実力/プレジデント」、「接骨、鍼灸、あん摩マッサージ指圧の深い闇/週刊ダイヤモンド」、「接骨院の療養費不正請求/12月1日東京新聞」などだ。

これらの記事をじっくり俯瞰して見ると共通する部分がある。これら不正に関わるデータの出所のほとんどは健康保険組合だ。これらは健康保険組合連合会が仕掛けたものだという見方をする手技療法家もいる。

不正請求は、柔整、あはきだけのものだろうか。医師は不正がないのだろうか。調べてみた。2018(平成30)年の保険医、医療機関等の返還合計が87億4千万円。保険医療機関で指定取消と指定取消相当が24件、保険医で指定取消と指定取消相当が19人いる。医療費の総額は42・6兆円だから、そこから見ると小さな数字かも知れない。しかし、なぜマスコミはこのことを取り上げないのだろうか。

以前、「医師に関しては医師会などの力が強く、保険者やマスコミは医療関係者に強くでることができない。そのため弱いものいじめのように、『あはき・柔整たたき』にでる傾向がある」と聞いたことがある。今回も同じことが行われたのだろうか。

今年は柔整という仕事と真摯に向き合い、自分なりに考える柔整師像を構築しなければ乗り越えられなくなるだろう。さらに業界が一つになって新たな柔整師像を創造する必要がある。そうしなければこれから接骨院を担う若い柔整師に未来はなくなる。

※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン66号(新春号)をご覧ください。

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