初めての請求業務 【前編】

● 初日の施術について
先生「今日はどうしました?」
患者「いやあ、ころんじゃって・・。なんか右手が痛くてしょうがないんですよ。」

問診票から負傷原因、負傷日について次のことがわかりました。

・負傷原因…ころんで手をついたときに、各部位を痛めた
・負傷箇所…右手首、右手親指、右肘
・負傷日 …10月1日 来院日 …10月2日

どうやら骨は折れてないようです。
先生は、右手関節捻挫、右手第1指関節捻挫、右肘関節捻挫と判断して、施術をしました。また、負傷日の翌日のため冷罨法を併用しました。
では、この日の療養費の算定はどうなるのか見てみましょう。部位は3部位になります。

・初検料 … 1450円
・初検時相談支援料 … 50円 ・施療料 … 3部位まで760円
・冷罨法 … 2部位まで80円、3部位目80円×0.6
※2014年4月1日より適用

ということで、初日の療養費は、

1450円    … 初検料
+50円      … 初検時相談支援料
+(760円×3) … 施療料
+(80円×2+80円×0.6) … 冷罨法
=3988円

これが全部の療養費になりますが、保険を使うので、保険者に請求する分と患者さんの負担分とに分ける必要があります。
この患者さんの場合、保険証の確認で自己負担割合が3割であることがわかりました。この負担率は保険者によって違います。また、高齢者の場合その所得によっても負担率が変わりますので気をつけてください。

患者さんから支払ってもらう分は、

3988円×0.3=1196.4円

と計算されますが、実際には一部負担金については1の位を四捨五入しなさいという決まりがありますので、 1200円 を窓口で支払ってもらうことになります。

先生のひとりごと「残りを保険者に請求すりゃいいんだな。えーと、3988円引く1200円で2788円か・・・」

ちょっと待ってください。
療養費支給申請書 (いわゆるレセプト) を作るときには、一部負担金は小数点以下を切り上げして計算する決まりになってます。

ということは、

・合計金額   … 3988円
・一部負担金 … 3988円×0.3=1196.4円
ここは切り上げになりますので、1197円
・請求金額   … 3988円-1197円=2791円

となり、3円も違います!
ここで計算される一部負担金は、患者が実際に窓口で支払った金額と違っていますが、気にしなくて大丈夫です。
1円を笑うものは、1円に泣くのです。たとえ1円であっても正確に計算してください。
一部負担金は、施術日毎に算定して徴収するので、毎日きちんと徴収してください。月末まとめてなんて、しないで下さいね。
あと、患者さんに内訳の書いた領収書は必ず出すようにしましょう!

それから、たとえば実際の一部負担金が490円になったときに、患者さんから500円を徴収するなんてことはしないで下さい。治療院に調査が入ったときに、「なぜ10円多いのですか?」とつっこまれます。「10円分は自由診療分として処理しました」としか、いいようがないでしょう。
かといって、逆に510円の一部負担金を「ええいっ、おまけやっ!」と500円徴収してたとしても、ダメです。むしろこの方がいいわけが聞きませんので、気をつけてください。

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