● クレジット売上
クレジット売上はクレジットの伝票単位で売上の計上を行ないます。実務上はその都度、伝票で売上計上すると経理上消し込み処理も行なわないといけなくなり事務処理が煩雑になるので期中は通帳への入金額で売上計上し決算時に未収分を売上計上するのが現実的です。
クレジット未収金の管理は治療時のクレジット伝票(クレジット会社用、控えの2枚)を専用ホルダーにファイルしておき締日で締めてクレジット会社分は郵送し控えをとっておきます。入金があったら入金分の伝票は入金済みの記入なりハンコを押し入金済みホルダーに移します。これにより未入金ホルダーをみれば今未収となっているクレジット売上の明細がすぐにわかります。
● 保険請求売上
保険請求売上は保険請求ベースで売上計上します。月末で締めてその月分の保険請求書類を作成し翌月初、保険請求団体等の締日までにその書類を郵送します。この作業が翌月はじめの一週間ほどかかるので事業主は毎月、月初は夜な夜な治療後残業ということになります。これが遅れると入金が一ヶ月遅れるので絶対に遅れることは許されないのです。
最近ではパソコンで保険請求ソフトを使い毎日入力しておけば月初の保険請求作業は入力したものをチェックするだけで済み一件一件請求明細を手で作成する必要はありません。
入力内容のチェックも一ヶ月まとめてしないで一週間単位でやっておけば月初の作業時間はもっと短縮できます。保険請求額についての返戻分については入金時に保険請求団体から送られてきた返戻分の明細を見て売上マイナスします。
この請求ベースで売上計上するやり方は返戻処理が必要になり経理処理が煩雑となるのでクレジット売上と同様、期中は通帳への入金額で売上計上し決算時に未収分を売上計上することもできます。
● チケット売上
手技治療院の場合よく回数券等のチケットによる自費売上があります。例えば「1回5千円。11回分で5万円。1回分お得」などというケースです。この場合は前金でチケット販売時に5万円現金で受領します。
このケースは税務上どの時点で売上計上になるのでしょうか。1つ目は入金時に全額売上に計上するやり方で税務上はこれが原則になりますので気をつけてください。二つ目はチケットの使用について別途「個人別管理台帳」を作成し使用済みと未使用が個人別に管理してある場合は使用分のみ売上計上が認められています。
但し、この場合も長期間未使用のチケット入金分については売上に振替えなければなりません。これを怠っていると税務調査時に全額売上だと言われ多額の納税になったケースも実際にありますので注意してください。実務上「個人別管理台帳」作成が煩わしくて、できない場合は入金時に全額売上計上にしておきましょう。