経営における目標設定とその達成法2 【前編】

治療技術以外の商品を販売している治療院はまだ少ない様です。

従来、治療院における売上は療養費請求のみであり、それ以外に売上を求めること自体、邪道であるかのような風潮があり取扱い商品の選択自体が主体的になされていませんでした。
その結果、現在に至るまで、接骨院において販売されているものといえば、サポーターや簡単な健康グッズ程度のものがほとんどです。

また、先生が言うから 「購入」 するという、消費者が選択して購入する通常の消費行動とは異なった、消費者マインドを無視した販売形態であった事例も数多く見られました。そのことが接骨院で物販を推進すると 「患者離れ」 が始まるという迷信めいたものさえ囁かれるようになったと思います。

しかし国家経済の状況、保険者の財政状況などを源とした保険者や行政の動向を見るにつけ、将来において請求自体の緩和などは望むべくもなく、むしろ、より厳しいものとなると思われます。

同時に柔整師大量輩出時代を迎えるなど周辺環境の激変により、
「運営」 から 「経営」
と転換が迫られる接骨院業界で
「保険請求以外の収入」
を真剣に考えなければならない時代となってきています。

以前、日本経済新聞には団塊の世代と呼ばれる人口の多い世代が定年退職することや、少子高齢化による保険の加入者数の減少、高齢者人口の増大による医療費の激増で、政府管掌保険が来年には約700億円の赤字、2008年には過去の保険料を積み立てた積立金も底をつき、2009年度には累積赤字が5200億円に達するとの厚生省試算が掲載されました。

全国の保険請求額は10年前と現在とでは激減しています。この傾向は今後、更に進むことが前述のように明白です。過去と比較して 「減じた分」 と近い将来予想される 「減じる分」 を補填するために保険請求による収入以外の商品を取扱い品目に加える必要性を感じ、 「商品メニュー構成の再検討」 という手段を設定しています。

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