ジャパン国試合格代表 三田利幸氏
変更点から探る「柔整理論」と「関係法規」
来年3月1日に実施予定の第28回柔道整復師国家試験。
合格ラインは、必修が8割以上、科目別が6割以上。
試験問題自体の傾向、難易度レベル自体は従来とさほど変わらないはずだ。
変更点は問題数。昨年度まで合計230問だったが次回から総問題数が250問と
20問増加。科目別の200問は変わらないが、必修が30問から50問に増える。
つまりポイントは必修問題の部分。増えた問題の範囲をしっかりおさえることが鍵だ。 「従来の必修問題の内訳を見ると30問中、14問が柔整理論、残りの16問が解剖(4問)、生理学(3問)、一般臨床医学(2問)、そのほか科目別(各1問)で、11科目全体からまんべんなく出題されていました。
28回の国家試験からは50問中、約35問が柔整理論(実技編含む)、約15問が関係法規(柔道整復師法、患者の権利、医療過誤とリスクマネジメント、国民医療費等、倫理問題も含む)という内訳が予想される(正式な発表はまだありません)。つまり必修のほとんどの問題が柔整理論と関係法規に絞られる。ここをどれだけ集中的におさえられるかがポイントになると思います」。
「過去問の活用」と反復学習を
合格者の勉強の仕方にはどんな共通点があるのだろうか?
「彼らは、できる問題よりできなかった問題を集中的に潰す傾向があります。
間違い箇所だけを、繰り返し何度も自分で調べて着実に理解する習慣がありますね。この学習姿勢が実力をアップしてくれる。楽をして覚えようとしないこと。
これは合格ライン上の受験者に共通する勉強といえるでしょう。
一方その反面、できない問題にばかり固執すると不安心理に陥りやすい。
ですから高レベルの受験者へのアドバイスとして、決して100点満点を目指す必要はない、ということ。無理しすぎてプレッシャーに押し潰される懸念もありますから」。 その下のレベル、中の上くらいの受験者はとかく慢心しがちだという。自信過剰は失敗のもとだ。
「教科書を買う手間を面倒がるのがこの層です。助言としては、過去問を活用するなど解けなかった問題を中心に反復すること。特に科目別200問は着実におさえる。必修対策は柔整理論(実技編を含む)、関係法規を集中して学習しましょう。今時点では慌てず調べながら勉強し習熟を深めること。
残り1、2カ月になれば、問題を数多く解く時期に入る。その前にじっくり力を蓄えることが大切です」。
国家試験に備えるコンディションづくりを
「大事なのは、国家試験に自分から合わせる、という考え方です。
これを勘違いしている受験生が多い。国家試験が受験生の勝手な都合に合わせてくれることは100%ありません。これは将来、柔整師になったときも同じです。
一人ひとり違う患者様の症状への施術を、自分は苦手だから、経験が少ないからと断りますか?もしそのような院だとしたら患者様は来院されないでしょう」。
「試験直前から当日までの留意点としてはあらかじめ会場の下見をしておきましょう。スマホがあるから平気と考えがちですが、実際に試験当日と同じ時間帯に合わせて、自分の足で往復すること。当日落ち着いた精神状態で現地入りできます。前夜はお酒を控え、体調を整えて試験に臨むこと。皆さんの検討を祈ります!」
※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン65号(秋号)をご覧ください。