「自費治療導入のきっかけは、一体何だったのでしょうか?」
星野「肩こり、特に慢性の腰痛の患者さんが増えてきてきたことと、手技治療中心の患者さんからの評判が高まるにつれ、自費治療比率が上がりました。逆に、短時間の保険治療だけの患者さんが減っていったという流れで自然になっていきました」
清水「私は自費メニューの導入は比較的早かったほうですね。当初から100%自費で、という患者さんも多かったです」
越阪部「患者さんのニーズ、そして当然のことですが当院としても経営を安定させたいという、いわば双方の思惑が合致した結果として自費治療を増やしていった感じでしょうか。自費を取り入れたことで、治療していた患者さんが来なくなったケースもありますが、逆に自費にして新規のお客様が確実に増えた。踏み出す勇気が必要ですよ」
星野「経験的には保険から自費への切り替えは難しい。昨日数百円だったものが今日、突然数千円になる世界ですから(笑)。治療の内容を納得のうえで、最初から自費治療を受ける人のほうが抵抗は少ないです。事前の説明は必要ですが。たとえば、急性期には保険を使う、そしてこの部分は自費にしましょう、という感じで丁寧に説明しています」
「自費治療のメリット、具体的な成功事例などを教えていただけますか?」
星野「治療効果が口コミで広がったり、新たな顧客層が獲得できたこと。変に広告を打ちまくる必要もないですし」
越阪部「私も導入して本当によかったです。やはり自費の患者さんは余裕がある。それだけに、確実な治療結果が伴うことが原則となりますが」
清水「単価が上がると顧客層の筋が良くなります。ただ、何が何でも自費が最良というわけではないですよ。たとえば東京都内でも地域によっての消費性向や年収格差、整骨院の治療に期待する価値も異なる。マーケティング戦略をよく練って、地域特性に合わせた展開が必要ですね」
※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン50号(新春号)をご覧ください。