――いわゆる個人請求についてお伺いします。そもそも保険請求は院長自身や身内などの個人でやればいいのではないですか?
太郎 個人で保険請求をすることで、請求団体に支払う入会金や会員手数料などの各種のフィーが不要となりますし、何より保険料が支払われるまでのサイト(期間)が短縮できる、といったメリットがあります。
しかし、保険請求の手続きは大変煩雑で、思った以上に時間と労力を要する作業です。保険者ごとに手書式が異なるのは当たり前。そのうえ、保険者から戻されてきた(返戻)場合、再請求の方法がわからなかったりすることも。これは大変なストレスとなりますし、スタッフの作業時間に換算すると、院の経営にとって非常に大きな損失になります。
――具体的には、保険請求の団体としてどのようなところがあるのですか?
太郎 『日本柔道整復師会』は公益社団法人が運営しており、信頼できる団体ですが、定例会やイベントなどへの参加義務などの制約も多く、好みの分かれるところですね。
次に、民間の請求代行。大手といわれる規模の3社を含めて、全国に多数の請求団体が存在します。公益社団法人との違いは、あくまで院に代わって請求の代行を行うという点。当然請求団体によって手数料も違えば、提供されるサービスも異なります。
しかし競争原理が働くという点は、民間ならでは。常により良いサービスを目指して、院の経営のプラスとなる新たなサービスを生みだす努力をしています。
――請求団体を上手に選ぶためのコツって何かあるのでしょうか?
太郎 請求団体が掲げているホームページの情報だけで団体を決めないこと。検討段階で必ず直接資料請求するなり、自分自身で調べ、よく確認してから加入するようにしましょう。よい請求団体を見分けるポイントは大きく3つ、“実績”、“会員数”そして“入金状況の管理と開示”です。
――独立する前のどのタイミングで請求団体を決めておけばよいのでしょうか?
太郎 開業を思い立ったらまず、こうした請求団体が主催する開業セミナーに積極的に参加することですね。物件のことや、事業計画書の作成方法、内装や宣伝戦略についてまで、懇切丁寧に教えてくれる団体もあります。
請求団体の選定はどうしても後回しになりがち。それならば、開業支援全般を一括パッケージでサポートしてくれるような、きちんとした実績、規模を備えた団体に任せてしまったほうが、施術など現場のオペレーションに集中できる利点があります。
※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン48号(夏号)をご覧ください。