雇用ミスマッチを防げ!
院の側から応募者へ向けて、求人のための情報を発信しなければなりません。しかしながら、求人募集のスペースは限られ、情報量はおのずと絞られます。このとき「(労働条件や募集にあたって必要な多くの情報を)どこまで正確に伝達できるか?」が重要になります。この部分が不十分だと、入社後に社員から「こんなはずじゃなかった」「こんな仕事とは聞いていなかった」といったズレ、いわゆる雇用のミスマッチが生じる危険性が高まります。雇用ミスマッチが後々発生しないよう、募集時には正確な募集情報を掲示したうえで、院の理念、ビジョンを明確に発信することが大切です。
『募集広告の法解釈』には十二分に注意せよ!
募集広告の文言では、法律上の語句と世間で認識されている語句の間に相違があります。
たとえば「休日」。世間一般では日曜は「休日」であっても、法律上(=法定休日)は「一週間に一日の休み」となり、曜日の指定はなく任意の曜日です。また「週休2日」や「年棒制」なども誤認されやすい言葉ですので十分に注意が必要です。
さらに難しいのが「(院内)研修」の定義。「任意か強制か?」「営業時間外か、休憩時間中か、休日または雇用前に行うものか」など…。「強制かつ営業時間外の研修」であれば当然残業代の支払い対象に。うっかりすると労働基準法違反となっていることもあります。
良い組織づくりには『院のビジョン』の提示が欠かせない!
理想的な院とは「志を一つにしたスタッフのみで構成された組織」。しかし人員が3人以上になればおのずと、誰かの意見に傾き、パワーバランスは失われます。経営のやり方は経営者の自由です。たとえば異分子を絶対的に排除しようとする経営者、あるいはそれを「元気がある人材」と肯定的に捉え、のちに独立支援の方向でビジョンの共有を図り、共存の道を探る経営者もいます。
ポイントは労働側への裁量をどこまで持たせるかを含めて「院のビジョン」を示し、浸透させること。たとえば就業規則一つで変わります。組織を円滑に動かすには時には厳格なルールも必要です。就業規則はネガティブに捉え過ぎる必要はないと思います。
※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン51号(春号)をご覧ください。