話題のことばVol.2 「電力自由化」

これまでは東京に住む人は東京電力というように、電気の小売りは地域ごとに会社が決められていた。この状況を見直し、異業種からの参入を促して競争を活発化させ、電気料金の抑制を図ることを目的として「電力の自由化」は2000(平成12)年にスタートした。当初は大規模ビルや大規模工場に対象を限定されたものの、新規参入した電力会社 〝新電力〟から電気を購入することが可能になった。そして今年、16年4月からはいよいよ自由化の対象が一般家庭や小規模店舗にまで拡大されることになる。

16年4月に自由化されるのは電力小売で、新規参入した新電力と呼ばれる会社の数は増加の一途をたどり、昨年10月30日現在で従来の電力会社を除いてすでに778社ある。東京ガスや大阪ガス、JX日鉱日石エネルギー、鉄道事業者といった電力と関連のある企業からソフトバンクやパナソニック、トヨタ自動車、楽天など直接は電力事業と関連しないような企業まで数多くの企業が新規参入を表明している。既存の電力会社の中でも、東京電力が子会社を設立して、関西で電気を販売するなどの動きも出ている。

電力小売自由化のメリットは次のことが考えられる。
◎ 自分のライフスタイルに合った会社を自由に選べる
◎ 料金が下がる
◎ 他のサービスと合わせて契約することができる
◎ 電源を選べる

電力自由化の今後
電気だけでなく、ガスについても小売り全面自由化の流れが加速している。ガスの小売り自由化は、工場やビルなどの大口需要家を皮切りに95年からスタートし、段階的にその範囲は拡大してきたが、現在は、17年にガス小売り全面自由化を実施する方向で進んでいる。消費者にとってはますます選択肢が広がるメリットがあるが、同時に料金メニューの内容を見極める判断力が求められることになるだろう。

※記事の詳細は、ひーりんぐマガジン50号(新春号)をご覧ください。

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