技術の向上が集患の最大の武器【成功への道】

●患者の少なさがメリットに
現在、1日あたりの来院患者数は「平日は40人くらいで、土日は60人」とそれほど多くありません。
これは保険診療のみでやっていたころとあまり変わらない。にもかかわらず売上げ自体は倍増しています。患者1人あたりの施術単価が違うためです。
ただ1人あたりの施術時間は長い。施術者1人が1日に施術する患者数は「10人くらい」。忙しい日で15人ほど。患者1人当たりの施術時間は30分以上は必ずかけているので、4人の施術者だったら1日当たり40人の患者数でいっぱいです。

患者1人当たりの治療費は、保険のときより今の自費のほうが多い。先月は約180人の新患が来ましたが、だいたい150人が自費、30人が保険でした。1カ月30人くらいの新患数だったものが、自費にシフトしてから新患が150人を超えました。
新患で来る人たちにアンケートを行っていますが、だいたい紹介か通りすがり。入りやすいというのと、料金もわかりやすい。

自由診療というと、豪華なイメージで照明を落としてとか、内装にお金をかけなければいけないという先入観がつきまといますが、

「入りやすさというのは、あまり古臭くなく、奇抜でもない。ちょうどよい新しさがよい。」

難しい注文ですが、確かにこれが一番入りやすいのでしょう。

●技術磨きチャンスをモノに
看板を変えれば、新規開業だと誤解する人もいれば、リニューアルで新しくなったと受け取ってくれる人もいます。

「いずれにしても、目新しさから患者が1日2~3人増えるかもしれない。しかし、ただ看板が新しくなっただけだというのでは、せっかく来た患者もそれ以後逃してしまうことになる。
やはり新しい患者が来たときに技術の裏付けがあるのとないのとでは、定着する確立はかなり違うと思う。」

不思議なことに自費の患者が増えるにつれ、保険の患者も徐々に増え、今月は半分ずつの比率となりました。患者が増え活気づくと保険扱いも結果的に増加するという相乗効果があるのでしょう。
自由診療にシフトして大成功を収めたいるか堂ですが、悩みはあります。
それはスタッフの研修システムです。星野院長の方針として、スタッフそれぞれの個性を大切にした研修をいかに行っていくか模索中です。

最後に、今後は柔整師の過剰が予測されている中で星野院長は、

「今までは柔整師の数が少ないから、資格を持っていれば食べていけた時代。これからは資格を持っていても就業できなかったり、開業しても経営がうまくいかない人が出てくるなどといわれている。保険だけに依存していると脅威に感じるだろうが、技術で勝負しようという人にとっては、チャンスなのかもしれない」といいます。

いるか堂は、治療院の周辺事情や患者の志向を第一義に考えた治療院づくりを目指したことで、結果的にターゲットを絞りこむことができたというのが成功の大きな要因のようです。

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