「ここまでなら請求できる」 はもう通用しない 【後編】

● 保険者からの再審査要求は増加
以上のようなやりとりから見ると、指導監査の中では気をつけなければならないポイントがあることに気付きます。

要約すると次のようになります。

1.患者さんが来院してから、そのレセプトを提出するまでの流れを説明できるか。

2.領収証は発行しているか。領収証はレシート形式か、手書きか。自由診療と保険診療を合算したものか。施術ごとに発行しているか。まとめて発行しているか。

3.カルテ入力は誰が行い、まとめて書くのか毎日行うのか。また訂正ができる状態か。

4.レセプトの発行時期はいつか。作成者は誰か。レセコンは使用するか。

5.患者さんの署名はいつ、記入してもらっているか。その際、自署と代理署名はどちらが多いか。長期のときは必ず月初めに署名させているか。

6.患者さんへ必ず請求部位の説明をしているか。

7.複数月にまたがる場合、保険証の確認はしているか。

8.一部負担金の減免はないか。

9.日計表の手順を説明できるか。

10.来院簿の有無。

柔整師の療養費をめぐる審査等は今後ますます厳しくなっていくでしょう。また今後、包括化などについての議論も行われるでしょう。

しかし、現状で不正請求は違法行為です。「ここまでだったら請求出来る」 「みんなやっているから」 などの単純な理由でこの違法行為を行う人がいるとするなら、いずれ大きな反動が返ってきます。

かつて医科の請求額に比べ柔道整復師の請求は圧倒的に少ないなどという理由で審査が甘かった各保険者も、これまでのように右から左へと療養費を支払う時代はもう終わったのです。

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