患者から苦情のある治療院は徹底的に調べられる!?

● 「売上げ300万円以上」は要注意
―― 一般の企業でいうと売り上げがある基準までいくと税務署に目を付けられはじめるけど、療養費にもそういう傾向はあるの?

柔整師A氏  規模にもよるけど、院長1人で、受付と助手1人だったとしたら1件の接骨院で150万円が精一杯ではないかな。
それが、1日の患者数を50人、60人と考えるからおかしくなっていく。結局、400万円とか500万円を目指して不正が先行してくる。300万円の売り上げを出すなとは言わないけど、やっぱり300万円出すなら施術の事実に基づかなきゃ。

ある院長は、地方厚生局の担当官に「カルテを整理しなさい」とはっきりと言われた。また「これからは300万円以上の請求のところは徹底的に調べますよ」とも言われた。どこの治療院でも叩けば埃が出ると考えているのかどうかは知らないけど、大なり小なり気まずいところも出てくる。
これは、私見だけど人を5~6人使って300万円を稼ぐところは、保険だけじゃ将来的には難しいんじゃないかな。人を減らして保険収入を半分くらい、あとは自由診療を増やしていくとかの工夫が必要だと思うよ。

● 個人請求の人はたいへん
―― いずれかの請求団体やどこかの会に所属しているのと、個人請求者ではどこかで違いがあるの?

柔整師A氏  地方厚生局が指導を行なう際、会に入っていれば所属の会に問い合わせをするね。個人の場合、直接手紙や電話で通告を出す。呼び出される人に通告を出すのは、まず部位が多すぎるのではないかとか、もう一度改めてくれませんかとか。

団体加入の場合、その団体がある程度指導してくれるけど、水増し請求をして、最後(再度)通告しても。あまり直らないようだと、会だってさじを投げる。会では指導できないから、どうぞ地方厚生局で調査してくださいってなる。
いずれにしても不正請求は結局は犯罪だからね。団体の方は内容的にだいたいわかっているところもあるから。中には一緒に行って対応してくれるところもあるね。

最近個人請求の先生が多いんで、そのへんのところで言うと、保険の請求事務に関しては学校での教育がないね。接骨院や会で覚えるしかないんだよ。
最近、中には卒業のときに教える学校もあるみたいだけど、表面的なもののようだね。本当は卒業生に対して講習会を開いてあげるべきだと思う。

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