経営における目標設定とその達成法2 【後編】

さらに、リビング系新聞各紙が行った平成13年度全国ネットワーク調査 「値ごろ感」 という主婦4059人を対象としたアンケート調査では、マッサージの妥当価格は3617円、上限価格が5648円で割安と感じる価格が2172円となっています。妥当な価格が3600円前後であり、1分あたり100円程度の相場に当てはめてみると施術時間は36分前後となります。

この数値を自院の患者一人あたりの保険請求収入額と滞院時間あるいは施術時間と比較してみると、リラクゼーションマーケットの実像がよりはっきりと見えてくると思います。

患者離れが少ない段階的導入

実際に既存の接骨院にリラクゼーション系施術を導入する場合には既存患者の存在や従業員の問題など実施に踏み切る前に解決しなければならない問題があります。

既存患者の処遇についてはマーケットを十分に分析した上に方向性を決定するとはいうものの、ある程度、院の雰囲気を替えた上で既存患者から徐々にリラクゼーション系施術を浸透させて行く方法をとります。
 既存患者への接遇 (接客・接患姿勢) を、今まで以上に気を使った手法に変えてから徐々に導入して行くと患者離れが少ないようです。

この段階的導入方法とは別に、院内外を大幅に改装して一気呵成に新マーケットを獲得する方法もありますが一大決心が必要です。

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さらに大きな仕事にスタッフの理解を得ることがあります。
院長の独断での遂行はスタッフの精神的な離反がおきる可能性もあり、業務自体が進まなくなる恐れもあることを十分に考慮して進める必要があります。スタッフの理解を得た上で施術者には、高い技術力とクオリティーに加え、 「サービスの魅力」 という接客、接遇法を学習させ、習得させることが重要です。

院全体に消費者の求めているもの (事) を的確に提供できなければ、成功はおぼつきません。
特に従来の高齢者を対象とした医療機関的な接遇を行ってきた接骨院の先生方は、リラクゼーションショップやリラクゼーションスポット等へ客として足を運んでいただき、その接遇や客あしらいの違いを知り、そこから 「サービス業」 とは何かを学んでいただければ、リラクゼーション系メニューを導入するか否かに係わらず今後の接骨院内での患者対応に関しての大きなヒントとなると思います。

◇   ◇   ◇

吉村 龍夫 氏
[ひーりんぐマガジン 6号より]

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