● 参加者の熱心な質疑応答
以下は、講演後、講師と参加した先生との質疑応答です。
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Q 今回の講演で個人情報保護法の適用事業者は、5000人を越える個人情報を保有する事業所とのお話でした。また、DM(ダイレクトメール)を送付する際は事前に本人に通知し確認する必要があるともおっしゃっていました。
私のところは、今の時点では、5000件を超えていませんが、その場合もDMを送付する際は事前に本人に通知し確認する必要があるでしょうか。
A おっしゃる通り、法律上は5001人以上となっています。しかし、何か事故があった際に新聞などでは5001人以上の事業者だから報道されるとか、5000人以下の事業者だから報道されないということはありません。
報道によって信用を失ってしまうというケースもありますので、法律は5000人を基準にしているから、それ以下はなにもしなくとも良いというのではなく、個人情報を扱っているという意識を持つことが重要だと思います。(太田)
(※注:厚生労働省のガイドラインでは、医療関係は個人の機微な情報を扱っているため、接骨院なども含む医療関係事業所には、人数の区分にこだわらずにこの遵守を求めています。)
Q 接骨院を経営していますが、電話で病院に問い合わせをよくするのですが、以前はこちらの接骨院名を告げるだけで、その患者さんの入院歴、通院歴を教えてくれましたが最近は教えてくれない病院が多くなりました。逆にこちらも、電話で問合せがあった場合、「個人情報の観点からこちらも答えることはできない」と言って良いものでしょうか。
A 外部からの照会があったときにどの程度ならお答えできるかと、悩んでいる会社が多いのは事実です。この病院に通っているのかどうかだけであれば、それほど問題はないと思います。ただ重要なのは、その患者さんがどういう考えを持っているかということです。
例えば通院していることが知られることで私のプライバシーが侵害されたと考える患者さんがいらっしゃらないとも限りません。最近はプライバシーの侵害裁判が起きているケースもあります。住所、病名、症状などの情報がからんでくると、かなり慎重になっていただく必要はあります。
できれば問診表などに、あらかじめ具体的な事例を示しながら「こういう目的で個人情報を使う」ということを患者に説明し同意を得た上で、使用はその範囲で使うことが一番いいのかなと思います。(太田)