経営における目標設定とその達成法1 【前編】

今回は 「漫然や怠慢が支配する日常業務」 を回避するための 「目標の設定」 と 「その達成手段」 を明確にする手法について解説します。
この手法は筆者が以前お会いした峰岸幸夫先生という方からお教えいただいたもので、以来十数年、活用しているものです。

● 目標の設定は具体的に
~目標達成のためまず何をしなければならないか?
「商売は桶、お金は水である」 と前号で述べましたが開業時には比較的大きな資金が動きます。その開業資金は苦労して蓄積したものであることが多いので、細心の注意を払って活用している先生がほとんどですから、大きな失敗や問題が起こることは稀であると同時に、 「少々の失敗であっても、失敗は失敗である」 と自覚し易いものであります。そのためにその発見も対処も迅速に処理することが可能です。
つまり、商売という桶に大きな穴が開いてお金という水が大量に流失した場合にも比較的迅速に対処することが可能です。

しかし、開業後は毎日が同じような日常業務の連続であり、ややもすると漫然とした繰り返しの日常業務が怠慢を招き、この怠慢が商売という桶に目には見えにくい小さな穴を発生させ、その小さな穴から水、すなわち、お金が流失することが多々あります。その少量の流失に気がつかないでいると最終的には閉業、倒産などの憂き目を見るという最悪の事態になる事もあります。

◇   ◇   ◇

通常、日常業務の反復を遠因とした漫然や怠慢などを防止することは多くの人々にとって非常に難しいもののようです。世界中のどこの国や都市でも商店街がありますが、その中に必ずといってよいほど 「勝ち組の店、繁盛店」 と 「負け組の店、停滞店あるいは衰退店」 が存在しています。

私見ではありますが、ほとんどの 「負け組の店」 には 「負け」 に至った原因が存在しているはずです。そこに至るには無論、多種多様な原因が在るかも知れませんが、その中の大きな原因のひとつに 「目標の設定がされていなかった事」 があると思います。
皆さんの治療院でも、開業自体が目標となり、開業後は 「漫然や怠慢が支配する日常業務」 の繰り返しになっていないでしょうか?

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