● 競合調査
「同じ相撲をとるのならば、相手の少ない土俵を選べ。」というように、本来は競合する相手がいない商圏で開業することがベストですが、実際には、既に開業している接骨院、整形外科院、整体院、リラクゼーション店等、何らかの競合院が同じ商圏に必ず存在していると考えて良いでしょう。
この競合調査を最も簡単に済ませる方法に、交番があります。日本は世界に冠たる警察国家です。(最近、検挙率が低下し始めていますが…。)
特に交番は、その管轄する町の全容を住人調査によって知っています。特に商店等に関するデータは、業種別に全部分類して台帳を作成していますので、交番へ行って「すみません、この辺で接骨院を探しているのですが…」と、警察官の公務をお邪魔しない程度にお願いすると実に懇切丁寧に教えてくれます。
競合調査において重要なことは競合相手の内容です。調査方法としては、地図に競合相手を書き込みながら、同時に資料のような情報カードを作成します。記載内容としては、院長の年齢や従業員数、来患数、治療所面積等、推定で構いませんので出来るだけ詳細に書き込むことが重要です。この調査の場合、1日では内容を記入しきれません。
しかし、この調査表の作成を目的にして何度か足を運んでいるうちに、自然と相手の競合度 (強・普・弱) が判明してくるものです。
例えば、高齢者を対象とした接骨院の競合相手が存在する場合、同じ商圏内に2軒目の接骨院が存続していけるだけの人口キャパシティの有無で、ある程度は判断出来ます。
この場合、第一次商圏である開業候補物件から、半径500メートル以内の人口密度が決め手となります。成功する開業の秘訣は競合相手がいないことですが、それはほぼ不可能です。出来る限り競合の少ない地域を探すと同時に、競合相手の詳細な状況を把握することが重要です。負けることが判っている相手とケンカする必要はありません。ケンカは勝てる時だけで十分です。
設備も十分、治療所面積も広大、若くて評判の良い院長と十分過ぎるお弟子さんと助手の方がいらっしゃる、そんな地域に密着した接骨院を相手に苦労するよりも、勝てる地域や場所はまだまだある筈です。
●内装工事・省令基準・業者選定
国家資格を有する柔道整復師やあはき師の場合、それぞれの省令によって、その業務範囲と周辺事項がしっかりと定められています。
特に内装工事に際しては、省令の定めに従って工事を施工しなければ保健所の許可が通りません。省令で定める施術所の構造設備等の基準に関するポイントは以下の通りとなっていますが、詳細については柔道整復師法あるいはあん摩マッサージ指圧師に関する法律をご参照ください。
1.6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること。
2.3.3平方メートル以上の待合室を有すること。
3.施術所は室面積の七分の一以上に相当する部分を外気に開放しうること。ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りではない。
4.施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること。
5.常に清潔に保つこと。
6.採光、照明及び換気を十分にすること。