マーケティングの専門家が語る、流行る治療院のネーミングはココがちがう!
【ネーミングやロゴは自院の第一印象】
ネーミングは、単に名前を付ける作業と考えられがちだが、実は事業や商品そのものをどうつくり実践していくかを考える作業だ、ということに気がつかない人が多い。「商品さえよければネーミングなんて関係ない」 そういう人もいるだろうが、ヒット商品には必ずいいネーミングがある。そしてその商品が企業のブランド力を押し上げる。ソニーのウォークマンなどはその典型だ。いったんブランドが確立されると客を呼び、利益を生んでいく。そのブランディングの第一歩がネーミングなのである。
マップ・コミュニケーションズの山口社長は、「すべてのモノには名前がついているわけです。どんな商品でもネーミングは重要。イメージからくる共感。実際に”楽しい商品”が、おもしろそうで印象に残り覚えやすいような名前だと、いかにも楽しいんだろうなって思って買うのが消費者です」と言う。名は体を表すということである。「ネーミングやプランニング、お店のコンセプトには誰のために、何のためにこのビジネスやるのか、どうしていきたいのか、という理念が必要です。その理念を表すためのメッセージをネーミングに込めることもあるし、企業としての壮大な理念を込めることもあります。地域に密着した院のアピールなどのメッセージもある」ただ単に業態を伝えるだけではいけない。ブランドは企業にとって一番大切にしたいと願うステータスの1つ。企業の名前やロゴは、企業の第一印象、また、その後継続する企業のイメージ・地位を担う役割を果たす。その反面、作る側の立場として、どうしても特性を全てネーミングに盛り込みたいと思ってしまうが、それもいけない。内容の一部しか触れていないのに、全体が伝わってくるような、広がりのある言葉が目を引くからだ。
【覚えてもらえる名前が一番重要】
山口社長は、ネーミングのポイントは3つあるという。 (1)ネーミングによって何を伝えたいか(2)ターゲットを考える(3)覚えてもらえるネーミング――だ。「思いつきで山ほど出してもそれが整理できなくては何もならない。そうではなくて、いったんアタマを整理して、この3つのポイントを考える。
“何を伝えたいのか”で一番はじめに思いつくのは業態です。『てもみん』などはその典型的な例です。次に”サービスの特徴””今後の取り組み”などでもいい。要はお客さんに抱いてほしいイメージを伝えることです。『施術後、さわやかな気分になってお帰りいただきたい』というのであれば”青空治療院”とか。ここら辺はオーナーや院長、スタッフなど実際に治療に当たる人が考えていかないといけないコアな部分です」。2番目のターゲットというのは、顧客の対象が「若い女性」なのか「ビジネスマン」なのか「シニア世代」なのかによって、表現の仕方が変わってくるということである。山口社長は「女性であれば、やわらかいイメージだったり少しファッショナブルにするとかいろいろとターゲットによって変わってくる。これには、やはりリサーチが重要です」と説明する。3番目の「覚えてもらえる」というのが、「けっこうコツがいる部分」だという。覚えてもらえるというのがネーミングにとって一番重要で、そのためには、まず「わかりやすい」ということ。「”わかりやすい”と”印象深い”は大変重要な要素で、わかりやすいけど印象が薄いということも結構あります。これを両立できるようにすることが大切です」。
※続きは平成22年4月25日発行ひーりんぐマガジン27号をご覧下さい。