● 人口調査
候補地域の概略を掌握の後は、人口に関する調査を段階的に実施します。第一の調査は 「基本人口の調査」 です。
ここでいう 「基本人口」 とは、一つのビジネスを運営して行くために必要な売上を上げられるほどの人口を、その候補商圏が有しているか否かの調査で、人口密度がその目安となります。
人口密度とは、1キロ平方メートル内の居住人口を人口÷面積で表したもので、インターネットでも入手できますが、年齢別男女別人口や町別世帯人口、町別世帯数・男女別人口等の詳細なデータは全国の市町村行政の住民基本台帳から得られます。
ちなみに平成16年度の日本で最も人口密度が高い市部は、埼玉県蕨市で13,799.80人 (1キロ平方メートルあたり) 、最低は北海道夕張市の17.35人 (同) だそうです。単純に人口密度の高い地域は潜在患者が多数いることになり、人口密度の低い地域よりも有利な展開が期待できます。
また、男女年齢等による構成比によってもマーケットは異なってきます。国勢調査の結果は、全国の市町村ごとに、総務省統計局のホームページ上で公開されています。開業候補を絞りこんで行く際に、これらのデータを利用してある程度の目安を探る方法としては以下のものがあります。
まず単純に、高齢者を中心として典型的な治療院を開業したいとする場合、その候補地における高齢者の構成率により判断することができます。我が国の現時点における65歳以上の高齢者の割合を算出すると、17.34%になります。開業候補地の住民基本台帳から高齢者構成率を算出して比較すると、日本全体の平均値に対してのある程度の答えが得られます。
また、いくつかある候補地の人口密度と年齢・男女構成比を比較し、ご自分の開業イメージの治療院がその地域に合致する(成り立つ)か否かを判断します。
例えば、一般に学園都市と呼ばれるような比較的学生が多く居住している地域には高齢者を主体とした治療院よりも、むしろ若者志向のリラクゼーションサロンの方が有利であることは明白です。