これらの現象から、手技療法の市場は基本的には以下の3つから構成されていると考えられます。
1.従来の中高齢者を対象とした保険での治療系施術
従来の接骨院タイプだが、現状のままでは種々の要因から経営環境が悪化している。
今後は療養費頼みの運営は困難になると予想される。
2.特に中年層を対象とした自費による治療系施術
鍼灸院、整体院に多くみられる。治療技術だけで遠方からの患者を来院させる程の絶対的な技術と自信を持った施術者であることが最大の条件。
3.若年女性層を対象とした自費によるリラクゼーション系慰安系施術
既に定着した若年女性市場に、ファッション感覚を持って参入できるビジネスとしての割り切りが求められる。
1.は、療養費頼みの経営が困難になると予想され、更に、急増する新設校からの卒業生による新たな競合接骨院との生き残りを賭けた戦いが過熱する現在では、従来の接骨院としての開業スタイルのみに頼らず新たな活路としての接骨院の在り方を真剣に検討せざるを得ない状況となってきました。
2.が本来の治療家としてのあり方ではあるが、卓越した技術の習得までに多くの臨床経験と研鑽が必要であり、時間を要します。
3.においては需要も多いが競争相手もたくさんいます。マーケットもサービス業として捉えている傾向があるため、 “お客様″としてもてなすという施術以外の付加価値が必要です。
このような状況の中での開業となると、自院で行いたい治療やサービス、つまり開業イメージが現実のマーケットにおいて受け入れられるか否かの整合性を十分に考慮することが必要不可欠の条件となっています。
くれぐれも 「何処へ行けばよいのか判らない。」 「自分が何処にいるかわからない。」 という様な 「迷子の経営者」 にはならないようにする必要があります。
そして、これらの施術メニューも含めた開業イメージが確立してくると、治療院名だけではなくスタッフのユニフォームまでもがおのずと決まってくるものなのです。