今年流行る治療院スタイルを占う

対談:箕浦智文氏(株式会社スタジオGIA代表)、日向勝次氏(有限会社エクセル代表)
本誌連載や表紙絵でお馴染み一級建築士・箕浦智文氏と気鋭の施工業者・日向勝次氏の二氏が語る治療院デザインのトレンド。

建物の立地条件と同様に店鋪の形態やデザインは、客をひきつける重要な要素であることは言うまでもない。治療院も同様である。今回は新春特集として、本誌9号(平成17年10月25日)の『院内デザインの奥義』(以降4回連載)や25号からの表紙絵でお馴染み、一級建築士の箕浦智文氏とコストパフォーマンスに優れた内装を手がけると評判の施工業者、日向勝次氏に「今年流行る治療院スタイルを占う」と題して忌憚のないご意見を述べていただいた。

【箕浦】  設計士として独立して30年経ちますがこの世界の変化は早いですね。昨年までは自由診療の整骨院を月1件のペースでオープンさせていましたが、最近はだいぶ落ち着いてきました。予算は年々厳しくなっていますが、つぶれた店はひとつもないですね。

【日向】  女性客の入りやすい設計にしたことが成功した原因でしょうね。それまで女性にとって整骨院は入りづらい場所でしたから。若い女性の患者さんが入りやすい整骨院は繁盛しています。

【箕浦】  整骨院の内装といえば投資金額はこうした店の半分ないし三分の一程度。腕さえ良ければあとはベッドがあればいいという考えの整骨師の方が昔は多かったですがいまはそれでは厳しいですね。

【日向】  多くの予算をかけられない場合でも、照明器具や壁紙、床材の選び方ひとつでイメージを変えることができます。すんなり入りやすい入口の工夫も必要です。看板もLEDサインはじめ多種多様の演出が可能です。

【箕浦】  交通量も歩行者も多い中で、道路の反対側からビルの2階、3階を見上げて歩く人はほとんどいないでしょう。それよりもビルの入口に色、デザイン、動きのある照明や映像など、きちっと目を惹かれるものを作ることです。

【日向】  初めて開業する先生から見積もりを出すまでは費用を頂かないことにしていますが、予算のことは最初に打合せをすべきです。まれにパッタリ連絡が取れなくなってしまうこともあります。見積もりは競争なので勝っても負けても商売ですからお互い様です。ただし約束を守っていただけないお客さんは困ります。

【箕浦】  業者の手抜きにはお決まりのパターンがあります。使用する壁紙の種類をなるべく少なくしようとする、値幅の大きい照明器具や既製家具を安いものに差し替えるというようなこともその一例です。のちのち大きなトラブルになりますから十分注意していただきたいと思います。

※全文は1月25日発行のひーりんぐマガジン26号(新春号)をご覧下さい。

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