患者さんからのクレーム対応方法の基礎

クレームは大まかに分けると3種類あります。

 (1) かまってほしい型
(2) 金銭目的型
(3) 愉快犯型(ストレス発散型)

まずは (1) の 「かまってほしい型」 は 「かまってほしい」 ので、ついクレームをいってしまう…。世の中にはそういう人もいるのです。かまってほしい型の患者さんのほとんどは、 「自分は大切に扱われなかった」 ということに対して、腹を立ててクレームを言ってきます。

対策としては、当たり前のことですが初診のときからよく話を聞いてあげることです。でも、中には話だけでも30分もかかる患者さんがいます。そのような場合は、 「これ以上お話をしていると、それだけで終わってしまいますが、よろしいですか?」 と、許可を取るのがコツです。
「それでもいい」 という患者さんには、話を聞きつづけてあげます。
その際、あなたの院では、相談が有料であるならば、 「有料」 であることを必ず告げます。
そして、最初は時間がかかっても患者さんの言うことに徹底的に付き合うということです。あとでクレームになると、それこそ10倍以上の時間と労力が必要になってくる場合があるからです。

次に (2) 「金銭目的型」 についてお話したいと思います。
この方たちの目的は金銭です。この方たちは謝ってほしいわけでもなく、かまってほしいわけでもありません。このような方への対策は、勇気はいりますが意外と簡単です。

それは…… 徹底抗戦 です。
しかし、善良な意識の持ち主が多い、治療家・セラピストの先生方は、 「痛くなった」 とクレームを言われると、 「自分が悪くさせてしまったのかもしれない」 という罪悪感から 「小額ならば」 と、ついお金を払ってしまうケースがあります。さらに、相手に 「訴えるぞ」 と言われると、私もそうですが、多くの方はけっこう怖くなリます。でも、もし相手が本当に裁判を望むならば、あなたも弁護士を立てましょう。

恐喝におそれて相手に3万円を払うくらいなら、弁護士に5万円を払ってでも、相手に一銭も渡さずに解決するのがいいでしょう。
ただし、その人が本当に金銭だけを要求しているのかどうかを見極めることは非常に大事なことです。
患者さんの言い分をよく聞いて、患者さんが何を求めているのかを感じ取ってください。もしかすると (1) のかまってほしい型の患者さんかもしれませんから。

(3) の 「愉快犯型(ストレス発散型)」 で、クレームを言ってくる人の典型的なところは、取るに足らないような小さなミスを取り上げてくることです。
1回2回なら 「すいません」 と頭を下げればいいのですが、愉快犯型は何度も言ってきますので、相手をするのに時間がかかったり、人手が取られたりしますので、これは時間的にも精神的にもかなりの負担になります。

愉快犯型の多くは、日頃からストレスをためている人が多く、何かのストレスで生じた怒りを、こともあろうにあなたにぶつけてきます。クレームを言ってくる方のストレッサー (ストレスを与えた人) とあなたが、歳やカッコが似通っていたりする場合や、我々の同業者やの医療関係者に、過去にひどい目に合わされた経験がある場合など、その時の怒りを転換してくる場合があります。

対策としては、患者さんの話をよく聞くことが一番です。
そして、怒りの元を手繰っていくようにお話を聞きます。その怒りが、例えば前に受けた治療院で不当な扱いを受けたということだとすると、そのことに対して患者さんといっしょに怒ってあげる、もしくはいっしょに悲しんであげることが大事です。

この手法はコミュニケーション心理学ではマッチングといいます
このときにいっしょに怒ってあげたり、悲しんであげたりといっても、ボルテージが患者さんと同じではいけません。
患者さんよりボルテージを少し下げていっしょに怒ったり、悲しんだりしてあげます。
いっしょに怒ってあげたり、悲しんであげたりした後に、 「でも、そんな風に怒っていたら体にも悪いから気にするのはやめましょうよ!」 というようなアドバイスを言ってあげるといいでしょうね。
いっしょに怒ったり悲しんだりしないで同じコトを言うと、 「この先生はちっとも私のことを分かってくれない。前の先生と同じだわ。」 と思われて、患者さんは不信感を持つようになります。

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