新型インフルエンザ対策などにみる院内感染予防法【感染ルートと予防法】

新型インフルエンザでは、世界保健機関(WHO)が警戒レベルをフェーズ6に引き上げ世界的大流行(パンデミック)を宣言し、国内でも新型インフルエンザは夏になってもまだ衰えることなく、依然として感染者が発生している。

新型インフルエンザでは、世界保健機関(WHO)が警戒レベルをフェーズ6に引き上げ世界的大流行(パンデミック)を宣言し、国内でも新型インフルエンザは夏になってもまだ衰えることなく、依然として感染者が発生している。
感染制御体制の整備は、今のところ医療施設以外にまでは義務づけられてはいない。
が、今まで院内で感染症が発生していないからといって取り組みを軽視していると、ちょっとした不注意で感染症が集団発生し、その対応に問題や不備などがあれば行政から厳しい指導を受けることになる。さらに、来院者からは不信感を抱かれ、経営リスクを招くことにもなりかねない。
手洗いや消毒の励行を徹底し、環境衛生管理を基本とした日ごろの衛生意識を重視して感染予防対策の周知徹底を図り、安全な環境を整備することは医療従事者としての大切な心がけだ。良質のサービスの提供にもつながる。

感染ルート

(1) 接触感染

施設内で最も頻度の高い感染ルート。
インフルエンザは一般に飛沫感染の対象とされるが、感染者の皮膚や粘膜に手指が接触したり、室内に付着したウイルスに接触することにより感染する場合がある。
治療院などの場合、施術時に手袋をしないことから接触感染のリスクは一般の医療機関よりも高いと考えられる。

(2) 飛沫感染

感染源である人が、せきやくしゃみ、会話などをすることによって院内に飛沫が生じる。飛沫は空気中に浮遊し続けることはないので、空気感染の場合のような特別の空調や換気は必要ない。

具体的な対応

発熱や咳を伴う患者に対しては、他の患者に飛沫が飛ばない程度の位置で待つことや、咳をする際にティッシュで口元をおさえ、ティッシュを廃棄できるノータッチ式廃棄容器に廃棄するとともに、手洗い、速乾性擦式消毒用アルコール製剤による手指消毒を行うなど他人への感染を拡げないような配慮の呼びかけを、ポスターなどを通して外来受付にて行う。
スタッフは、必ずサージカル・マスクの着用と手洗いを行うこととし、院内の清掃については、日常的に患者や医療従事者の体が触れる部位(ベッドレール、ドアノブ、カートなど)については、アルコールなどによる清拭消毒を少なくとも1日1回は行う。 床などの環境については、挨を巻き上げないような方法(モップ清拭、ヘパフイルター付き掃除機など)で除塵清掃を徹底する。

手指の消毒(日常的手洗いを含む)

院内感染の伝播経路の中で医療従事者として最も注意を払う必要があるのが医療従事者の手指からの伝播である。手指消毒は、処置を行う度に消毒を行うことである。
方法として、石けんと流水による手洗い、消毒剤と流水による方法、消毒剤と滅菌水による方法、速乾性すり込み式がある。手指消毒剤の使用時には手指消毒前に手の爪は短く切る、時計、指輪をはずす、指先、指間、手首、親指の付け根は特に注意して消毒することが大切である。
(ひーりんぐマガジン24号からの抜粋)

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